女性ホルモンと更年期の肌ケア

健康と美肌を育む上で大切な役割を担っている“女性ホルモン”。女性のライフステージで女性ホルモンが具体的にどのように肌に作用しているのか、そして女性ホルモンが急激に減少する更年期の肌状態とケアについてご紹介します。

2種類の女性ホルモン

美肌を司る女性ホルモンは、卵巣から分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。エストロゲンは“美のホルモン”とも呼ばれ、コラーゲンやエラスチン、また角質の水分保持などうれしい作用があります。そのため肌の弾力が増し、ハリとツヤを与えてシワやたるみを予防してくれます。一方で、“母のホルモン”と呼ばれるプロゲステロンは、妊娠を助けるホルモンです。皮脂分泌の促進作用があるため、過剰に出るとニキビや吹き出物、シミの原因になることもあります。
美容の観点から見るとエストロゲンだけを増やしたくなりますが、エストロゲンの分泌が過剰になると、生理が不安定になったり、子宮がんなどの婦人病のリスクが高まります。女性ホルモンは2種類がバランスよく分泌されてこそ、美しい肌と健康を維持しているのです。

更年期の肌状態

美を司るホルモン「エストロゲン」の分泌は、ライフステージによって変化します。一般的には初潮を挟んだ思春期(10~18歳)に増えていき、40代半ば頃まで盛んに分泌されます。そこから卵巣機能の低下にともない、閉経前後にはエストロゲンが急激に減少します。これが更年期(40代半ば〜50代半ば)です。「ゆらぎ期」ともいわれる時期で、この期間は肌状態も不安定になりがちなので、上手にケアしていく必要があります。
とくに注意すべき症状は、シワ、たるみ、シミ、乾燥です。シワとたるみは、エストロゲンの減少でコラーゲンやエラスチンの量が減り、肌弾力が失われることで生じます。シミは女性ホルモンの乱れによる「肝斑」と、乾燥は皮脂分泌を促進するプロゲステロンが減少するためで、肌のバリア機能も低下することで起こります。このような状態になると紫外線の影響も大きくなりますし、かさつきやかゆみ、湿疹なども生じやすくなります。
更年期は個人差があり、30代後半から始まる人もいますので、油断せずに早い時期から生活習慣や体調を整えて美肌作りに励みましょう。

更年期のスキンケア

女性ホルモンのバランスが崩れる更年期の肌ケアは、徹底的な“保湿”が鍵になります。とくに、皮脂が少ない目元や口元、肘、膝、スネ、手指などは乾燥しやすくなりますので、十分な保湿を行うことが大切です。
入浴時は皮脂を奪いやすい熱いお湯ではなく、40度以下のぬるめのお湯に浸かり、体を洗うときは石鹸をしっかり泡立てて、自分の手で優しく洗うようにします。そして、入浴後の十分な保湿も忘れないようにしましょう。
また、紫外線により肌にダブルでダメージを与えないために、外出時は日焼け止めやサングラス、帽子などで対策を万全にしましょう。このような日々の習慣が、更年期の肌を調子よく過ごすための秘訣になります。

女性ホルモンを整える“ホル活”

加齢による女性ホルモンの減少を防ぐことは難しいですが、対策がないわけではありません。十分な睡眠によって肌回復を促したり、適度な運動で代謝を高めたり、食生活で女性ホルモンの分泌を促すのです。
エストロゲンと似たような働きをしてくれる「大豆イソフラボン」は、女性にとって嬉しい食材です。女性ホルモンの原料となる良質な「タンパク質」や「脂質」、そして抗酸化作用のある「ビタミン」、腸内環境を良くする「食物繊維」なども意識しながら、バランスの良い食事を心がけましょう。


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