美肌づくりに欠かせないのが、肌のターンオーバー(新陳代謝)とその正常化。念入りにスキンケアしていても、寝不足やストレス、血行不良などでターンオーバーが乱れるとせっかくのスキンケア効果が半減し、様々な肌トラブルを招く原因になります。理想的なターンオーバーのためには何をすべきか、そのしくみと役割から見ていきましょう。
肌の再生に欠かせない力
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝とも呼ばれる、肌が生まれ変わるサイクルを指します。肌が生まれ変わるといわれても、実感するのは難しいかもしれません。例えば転んで傷ができてしまっても、そこはカサブタとなって剥がれ落ち、気づけば皮膚はきれいな状態に戻っています。傷が治るということは肌が生まれ変わった証拠であり、この再生のサイクルをターンオーバーといいます。
ターンオーバーが行われるのは肌の表面の表皮という部分で、内側から順番に、基底層、有棘(ゆうきょく)層、顆粒層、角質層との4つの層で構成されています。(※バリアゾーンは顆粒層と角質層の間に位置します)
ターンオーバーは、表皮の深層部にある基底層からスタートします。ここでは血管から栄養を摂取することで、毎日新たな細胞がつくられています。そして次々に生まれた細胞は細胞分裂を繰り返し、先に生まれた細胞を上へと押し上げ有棘細胞、顆粒細胞へと形を変えながら、最終的にはアカ(角質)となって剥がれ落ちます。細胞が生成され、それぞれの役目を果たしながらアカとなって剥がれ落ちる、この一連のサイクルを「表皮のターンオーバー」といい、その周期は一般的に約28日と言われています。
バリアと保湿の機能を維持
では、表皮が常に生まれ変わることで、どんなメリットがあるのでしょう。ターンオーバーによって生まれた細胞は、アカとなって剥がれ落ちるまでのあいだ、潤いをキープするヒアルロン酸やNMF(天然保湿因子)をはじめ、バリア機能を担うセラミドやコレステロールといった、肌にとって必要な栄養を生成します。これら細胞が正常に機能しているおかげで、皮膚の表面からホコリや菌が進入することを防ぎ、キメの整った潤いのある肌を維持することができるのです。
ターンオーバーは早すぎても遅すぎてもいけない
この表皮が生まれ変わる仕組み(=ターンオーバー)の周期は、固定したものではなく、個人差はもちろん、表皮の生理状態によっても変化します。周期が遅れる要因の一つに加齢がありますが、若い人にみられる過度な日焼け(炎症)や、頻繁に角質ケアをしすぎるなどの誤まったお手入れでは、逆に早まる傾向があります。
●ターンオーバーが早いと・・・
・準備のできていない細胞が皮膚の表面に出てくるため肌のバリア機能が低下する
・未熟な細胞は潤い機能(水分の保持力)を持たないため、敏感肌や肌荒れをおこす
・肌が過敏になることでシミが発生しやすい状態になり、赤み、炎症などのリスクが高まる
●ターンオーバーが遅いと・・・
・自然と剥がれ落ちるはずの角質が落ちないことで肌がくすんでくる
・角質層が厚くなり、たるみやゴワつきが発生し肌が硬化して乾燥しやすくなる
・加齢により細胞の働きが弱まり、シミやシワが生じやすい状態になる
エイジングケアとして意識をするべき
ターンオーバーを正常化するためには、日常生活の見直しとターンオーバーを促進するためのスキンケア、この2つの対策が必要になります。
★睡眠時間は最低でも6時間をキープ
ターンオーバーは約6時間(眠りはじめの3時間でターンオーバーは促進される)かけて行われるため、最低でも6時間の睡眠はキープしましょう。良質な睡眠をとるには、お風呂に入ってから2~3時間後の、体温が下がっていくタイミングで寝る準備をすることです。
★ビタミン類の摂取で肌の代謝を促進
肌の代謝に大切なのが食事です。
肌の代謝を促すかぼちゃ、にんじん、レバーなどのビタミンAやナッツ類、青魚、アボガドなど抗酸化作用と血液の流れを改善するビタミンE、また、タンパク質やビタミンCなどをバランスよく摂取することが大事です。
★過度な運動は睡眠2時間前までに
ターンオーバーはエネルギーを消費します。寝る前にエネルギーを使ってしまうと、うまくターンオーバーが行われず、肌サイクルを乱す原因にもなります。就寝前であれば、心身ともにリラックスできるストレッチがおすすめです。同じく食事や飲酒もエネルギーを消費するため、布団に入る3時間前からは控えるようにしましょう。
★自分なりのストレス解消法を見つける
過度なストレスは新陳代謝のリズムの崩れにもつながり、基底層の細胞をつくる働きにも悪影響を及ぼします。自分なりのストレス解消法で気分をすっきりさせましょう。
★正しいスキンケア
ターンオーバーを整えるために意識したいのが「正しい洗顔」「保湿」「紫外線対策」の3つ。疲れて帰ってきても洗顔、クレンジングは優しくていねいに行い、肌の状態に応じて保湿ケアを取り入れましょう。また保湿とともに、UVケアも肌のバリア機能を守るため必須です。
ターンオーバーの乱れの原因は複雑です。多様化するライフスタイルで、すべてを改善することは難しいかもしれませんが、その確実な近道は、規則正しい生活や正しいスキンケアであることを覚えておきましょう。
ターンオーバーの促進におすすめのアイテム
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