心と肌の密接な関係

疲れやストレスを感じると、肌の調子が崩れがちに。反対に、肌の調子が良いと、心が晴れやかになったり、前向きな気持ちになったり。「肌は心の鏡」と感じた経験はありませんか?
美しい素肌づくりのヒントは、「心」にも隠れています。

 

皮膚は第三の脳

「皮脳同根(ひのうどうこん)」という言葉を聞いたことはありますか。新しい命の始まりである受精卵は成長していく過程で、3層の胚葉に分かれます。そのうちのひとつ「外胚葉」から形成されるのが、脳・脊髄・末梢神経などの神経系や髪・爪、そして皮膚の表皮です。

つまり、脳と皮膚は同じ細胞からつくられる、ルーツを同じくするもの。脳が疲れたり、ストレスを感じたりすると肌に変化が現れるのは、こうした関係が背景にあるといわれています。

さらに、皮膚は体を覆う最大の臓器であるだけでなく、皮膚そのものがホルモンをつくり出し、そのホルモンが血液中に入り、脳に影響を与えることもわかってきました。また、皮膚感覚を処理するための脳の領域は非常に広く、皮膚からの刺激が脳に与える影響は大きい。こうした理由から皮膚は「第三の脳」と呼ばれています。

 

肌はストレスの影響を受ける

脳はストレスを受けると、副腎皮質ホルモンや男性ホルモンの分泌を促します。これらが増えることで皮脂腺が刺激され、皮脂分泌が過剰となり、毛穴を詰まらせてニキビの原因になります。また、ストレスや緊張状態が続くと、自律神経やホルモンバランスが崩れ、血流が悪化。その結果、肌のくすみや乾燥、ターンオーバーの乱れへとつながり、さまざまな肌トラブルを引き起こす原因になります。

肌の免疫をつかさどるランゲルハンス細胞も、ストレスの影響を受けます。ランゲルハンス細胞は表皮に存在し、外部からの異物の侵入を察知して肌のバランスを保つ役割を担う細胞ですが、強いストレスによって減少することがわかっています。その結果、免疫力が低下し、急に蕁麻疹が出たり、アレルギー症状が現れやすくなったりすることもあります。

 

肌に触れることの大切さ

ストレスや疲れは肌に影響を与えますが、完全に避けて通ることは難しいもの。上手に付き合うために、脳や肌が“心地良い”と感じることを日常に取り入れていきましょう。

中でも「肌に触れる」という行為は、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を促します。オキシトシンは脳で合成され、分泌されると副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態へと導いてくれます。また、ストレスから脳を守り、自律神経のバランスを整え、安らぎや幸福感を感じやすくする働きもあります。

皮膚には、もともと心地良さを生み出す神経線維が多く存在しています。これらの神経線維が刺激されると、その感覚が脳へと伝わり、オキシトシンの分泌が促されます。誰かに触れてもらうだけでなく、自分自身で肌に触れることでも分泌されるのです。

最近の研究では、オキシトシンは脳だけでなく皮膚からも分泌され、皮膚の再生を促す可能性があることも報告されています。心と肌が密接につながっているからこそ、疲れやストレスから解放され、心地よさや幸福を感じる時間が美肌へと導き、美肌がまた心の充足感を育てていきます。そんな「美のループ」を、日々の生活の中で意識してみましょう。

 

美のループを保つ

○深呼吸をする
○手の温もりを感じながらスキンケアをする
○十分な睡眠を摂る
○入浴習慣を大切にする
○心地良い香りを取り入れる