美肌を保つ質の良い睡眠

寝不足だと感じたり、しっかりと寝たはずなのになぜか寝起きがスッキリしなかったり、鏡に映る自分の肌もなんだかぼんやりとしている。そんな経験をしたことはありませんか?
夜が長いこの時期に、睡眠と肌の関係について改めて紐解いてみましょう。

 

睡眠がもたらすもの

1日の疲れを感じたら、「家に帰って眠りたい」「ゆっくり休みたい」と思うのは自然なことです。睡眠には、脳を休める、疲労を回復する、ストレス解消、記憶の整理や定着など、様々な役割があります。そして「寝る子は育つ」というように、子どもから大人に成長するために必要なホルモンである、成長ホルモンが分泌されるのも睡眠中です。
この成長ホルモンは、大人には免疫、認知機能に作用し、代謝を促します。例えば、アミノ酸からタンパク質への合成を促進したり、細胞分裂を助け全身の新陳代謝を活発にして、細胞の修復・再生を助け老化を防止したりします。成長ホルモンによって、肌の細胞が刺激され分裂を繰り返し、新しい肌の細胞を作り出しているのです。つまり、美しく健康的な肌を保つには、成長ホルモンが欠かせないということです。では、睡眠中に成長ホルモンはどのように分泌されているのでしょうか?

 

寝入ってからの3時間が大切

睡眠中は様々なホルモンの分泌が盛んに行われています。肌の代謝に関わる成長ホルモンのおよそ70%が寝ているとき(その他は運動時や食後3~5時間)に分泌されます。
睡眠は、ノンレム睡眠(入眠直後に現れる深い睡眠で、脳も体も休める)とレム睡眠(体を休める目的の浅い眠り)の2種類で構成されています。人は寝ている間、この2つの睡眠を90分周期で交互に繰り返しています。そして成長ホルモンはそのほとんどが、はじめの2回の深いノンレム睡眠の際に分泌されています。つまり、寝入ってからの3時間が肌の代謝を促す大切な時間帯となるのです。何時に寝るかより、いかに最初に深いノンレム睡眠に入れるかが重要です。
この成長ホルモンの分泌は、年齢を重ねることで低下していきます。自然な成り行きではありますが、成長ホルモンを有効活用するために、深くて質の良い睡眠を取ることを心がけましょう。

 

質の良い深い眠りのために大切なこと

体温

睡眠中は臓器や筋肉、脳を休ませるために、体の中の深部体温が下がります。健康な人の場合、入眠前は手足が暖かくなり皮膚温度(手足の温度)を上げて熱を放出し、深部体温を下げます。深部体温と皮膚温度の差が縮まることで入眠しやすくなり、良質な睡眠につながります。

・入浴は深部体温の最強スイッチ
深部体温はホメオスタシス(生体恒常性)の影響下にあるため、簡単に変動しません。ですが、入浴はその深部体温を動かす強力なスイッチ。40度のお湯に15分浸かると、深部体温が0.5度上がります。その温度が元に戻るまでの時間が90分で、深部体温が下がっていく過程で皮膚温度との差が縮まります。
就寝90分前に入浴することでスムーズな入眠ができます。忙しくて難しい場合は、深部体温が上がり過ぎないぬるいお湯での入浴か、熱放散に期待ができる足湯を試してみてください。

・室温をコントロールする
温度と湿度が高いと発汗がしづらく、手足からの熱放散を妨げる原因になります。また、室温が低いと血行が悪くなり熱放散も起こらないため、眠れなくなります。適度な室温を保ちましょう。

・脳の温度を下げる
熱がこもらないように通気性・吸湿性のよい、快適な寝具をチョイスしましょう。

脳が興奮していると体温が下がりにくくなります。また、睡眠は外的な状況に非常に影響を受けるので、脳のスイッチを適切に切っていくことがポイントです。

・できるだけ脳を使わない
何かを考えたり、結末が気になるミステリーを読んだり、スマホを操作したり。頭を使うと脳が働いてしまい、眠ることができません。寝室の照明を暗くして、スマホやミステリー本はベッドに持ち込まないなどの習慣を作りましょう。

・パターンを崩さない
いつも通りのベッド、パジャマ、時間、照明、室温、音楽・・・。眠るためのパターンができると、いつも通りのことが、入眠のスイッチになります。