正しいスキンケアで毛穴悩みを解消

肌悩みの上位に常にあげられる毛穴。
肌質や年齢によって、毛穴の悩みもさまざまです。気温が上昇して皮脂の分泌が活発になる前に、その役割や仕組みを紐解いてみましょう。スキンケアの対策が見えてくるかもしれません。

 

毛穴には肌を守る大切な役割がある

私たちの顔の毛穴は約20万個。
妊娠6ヶ月の胎児の頃に数が決まると言われていて、生涯その数が変わることはありません。毛穴には、産毛が生える「軟毛性毛包(なんもうせいもうほう)」、鬚や髪が生える「終毛性毛包(しゅうもうせいもうほう)」、主に額や鼻、頬にある「脂腺性毛包(しせんせいもうほう)」の3つの種類があります。

今回は肌の悩みの上位に君臨する「脂腺性毛包」について解説していきます。脂腺性毛包は大きく発達した皮脂腺を備えていて、皮脂分泌を行っています。皮脂腺の発育には男性ホルモンの影響が強く、皮脂腺が大きければ大きいほど、毛穴が大きく目立ちやすくなります。男性ホルモンの分泌量は遺伝と関係があるので、毛穴の大きさも遺伝によりある程度決まっています。

毛穴の重要な役割は、汗孔(汗の出口)と毛孔(毛穴)が広がったり縮んだりして気温の変化に応じて、体温を一定に保つこと。また、皮脂腺から分泌された皮脂は汗と混じり合って皮脂膜をつくり、肌の乾燥を防いでくれます。皮脂膜は肌に柔軟性や弾力性を与えたり、肌を弱酸性に保ち雑菌の繁殖から体を守ったり、有害物質の侵入と感染から守るという役割を担っています。

 

 

毛穴の悩み 「開き」と「詰まり」

毛穴の悩みと言えば、毛穴が目立つ「開き」と、ちょっと黒ずんで見える「詰まり」です。それぞれの特徴を見てみましょう。

開いた毛穴

過剰に分泌される皮脂によって、毛穴が押し広げられ開いてしまった状態。皮脂が過剰に分泌される要因は多々ありますが、遺伝的要素はもちろん皮脂温の上昇による皮脂腺の活性化、脂っこい食事により血液中の脂肪の量が増し皮脂量が増えることが考えられます。また、睡眠不足やストレスによるホルモンバランスの乱れ、紫外線なども影響しています。

詰まった毛穴

毛穴から分泌された皮脂や、代謝が悪く残った古い角質が毛穴に詰まってしまった状態。洗浄不足で角質や落としきれなかったメイクなどの汚れや、その汚れが酸化して角栓となり、毛穴が黒ずみます。また、ほかにも毛穴を目立たせる要因があります。

乾燥

角質の水分が不足し、肌表面のキメが乱れ、毛穴の周辺がへこんでしまいます。そのへこみが影となって毛穴が目立ちます。

加齢

年齢を重ね肌の真皮層の働きが衰えると、皮膚の柔軟性や弾力性が失われてキメが粗くなることでハリがなくなり、毛穴が縦に広がります。楕円形になることで面積が広がって見えてしまいます。

 

♦︎毛穴ケアのための正しいスキンケア

①毛穴を開かせる

入浴時にはバスタブにゆっくりと浸かり、蒸気で毛穴を開かせます

 

②洗顔で古い皮脂や汚れを取り除く

朝晩の洗顔で古くなった皮脂や汚れを洗い流します

 

③毛穴の奥の汚れにもアプローチ

毛穴表面の汚れだけでなく、美容器などを使用して深部の汚れまで取り除きましょう

 

④潤いや栄養を与える

毛穴のまわりの細胞にたっぷりと潤いを与えます。肌にハリが出ると毛穴が開きにくくなります

 

⑤お手入れの最後は毛穴を閉じる

冷タオルや化粧水で開いた毛穴をギュッと引き締めます

 

⑥肌表面を傷つけない

過度な刺激は肌への負担になり、乾燥の原因にもつながります。お手入れは肌を擦らずにやさしく

 

♦︎過度な皮脂分泌を防ぐために、日常生活でできること

・脂質や糖質を控えた食事を心がける
脂質や糖質は皮脂分泌を活発にします。食べ過ぎには注意

・質の良い睡眠を取る
睡眠時間に加え睡眠の質にもこだわって、ホルモンバランスをキープ

・ストレスを発散する
自律神経が乱れると男性ホルモンの分泌が高まります。気分転換をしてストレスをためないように

・コラーゲンを多く摂り入れる
肌のたるみは毛穴のたるみ。良質なタンパク質を摂取してコラーゲンを生成、肌にハリを与えて

・代謝を高める
ターンオーバーがスムーズでなくなると古い角質が残りやすくなります。入浴や食事で体を温めましょう

・紫外線を防ぐ
皮脂の過剰分泌やたるみの原因に。毎日の日焼け止めはマスト!